しかし、これは260年以上も続いた江戸時代の歴史という「森」を全く見ていない、一方的な観点でしかないと言わざるを得ません。
なるほど、井伊直弼によって不平等条約が結ばれ、その後の我が国の近代化に大きなブレーキとなった事実は動かしがたいでしょう。しかし、それは彼一人の責任と単純に片づけられるものでしょうか。
そもそも、我が国が200年以上も「一国平和主義」という、まるでどこかで聞いたような「平和ボケ」をむさぼったのは誰のせいでしょうか。
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アヘン戦争で清国が負けて香港をイギリスに奪われたのに、オランダ国王がわざわざ開国を勧告してくれたのに、さらにはビッドルが平和的に通商を求めてきたのに、それでも旧来の祖法(といっても本当は祖法でも何でもないのですが)にこだわり、ペリーやハリスを招いたのはいったい誰でしょうか。
すべてが井伊直弼以前の幕府の政策のせいではないですか。関わり合いになるのを嫌がり、面倒なことを徹底的に避け、何もかも先送りしてきたことで、たまりにたまったツケを、当時の政治の最高責任者として、井伊直弼がすべてを払わされたのではないでしょうか。
そう考えれば、井伊直弼は「貧乏くじを引かざるを得なかった被害者」であった、という見方も成立するのです。
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成立当初は「世界最高の軍事力を誇る武家政権」であった江戸幕府も、200年以上もの長い年月によってすっかり骨抜きとなり、ペリーやハリスの恫喝に言いなりになるという情けない状態と化してしまいました。
幕府の最高責任者であった井伊直弼にとって、その事実を認めることは何よりも屈辱(くつじょく)だったことでしょう。だからこそ、彼は昔年の幕府の勇姿を取り戻したかったし、幕府に対する非難も許せなかった。
しかし、彼は急ぎ過ぎたのです。200年以上かけて没落した過去の栄光を、焦るあまり1年足らずで取り戻そうとしてしまいました。これでは矛盾点が噴出し、大混乱になるのが当然です。だからこそ、彼は桜田門外の変で殺されてしまったのです。
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では、なぜ江戸幕府はここまで落ちぶれてしまったのでしょうか。その背景には、いわゆる「鎖国」の完成までは持っていた「長期的なビジョン」の欠如があります。
イスパニアやカトリックによる世界侵略の野望に気づいた秀吉は、我が国をどう守るかということを熟考し、先手を打って明を征服することを決断し、その前提として朝鮮半島へ攻め込みました。
この流れは、秀吉にかわって天下を取った家康や江戸幕府も同様であり、当時の我が国が世界最強の軍事国家であったことを背景に、極端な制限貿易を行うことで、我が国を平和に導くことに成功しました。
秀吉や家康、そして成立当初の江戸幕府が持っていたのは、いずれも「10年後」のみならず、「50年後」あるいは「100年後」の我が国がどうなっているか、という「長期的なビジョン」でした。だからこそ、「目先の敵」にはなりふり構わず攻め込むとともに、将来の平和のために、宗門改めや絵踏など、ありとあらゆる手段でカトリックを封じ込めたのです。
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そして、我が国の将来を見据えて自主的な開国を実現しようとした田沼意次を、天災を原因とする大飢饉が起きたのを奇貨(きか)として葬(ほうむ)り去ったことで、絶好の機会を逃してしまいました。
かくして、1840年代までの我が国は、まさに「一国平和主義」を満喫(まんきつ)することに一所懸命となり、為政者も一般人も「10年後」どころか「今日の平和」を楽しむことを是(ぜ)とすることが当たり前となってしまっていたのです。
よく考えてみれば、そんな状態でペリーが来航してきたにもかかわらず、よくぞ国家存亡の危機を乗り越え、明治維新を実現させたものです。いざと言う時の我が国の底力に感謝するとともに、もし一歩道を踏み外していればどうなっていたかと思うと、私は寒気がします。
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戦後のGHQによる占領政策で骨抜きにされ、無理やり押しつけられた憲法を、70年以上も一字一句改正せず、そのまま「有難く使用し続けている」のは誰ですか。
安全保障をアメリカという他国に委(ゆだ)ねるのを基本路線とするのみならず、我が国のために命懸けて働いてくださる自衛隊の皆様を、憲法にも明記せずにそのまま放置しているのは誰ですか。
経済の発展のみを考えて大国になった一方で、一度バブルが弾(はじ)けただけで、まるで「羹(あつもの)に懲(こ)りて膾(なます)を吹く」かのように臆病になり、他の国がここ30年近くで何倍もGDP(=国内総生産)を増やしているにもかかわらず、我が国だけが横ばいの状態が続いているのを、さも当たり前にように受け止めているのは誰ですか。
そして、国民の多くが「目先の利益」のみを考え、年金問題などで目くらましを食らうと同時に「子ども手当」などという「エサ」につられ、3年3か月ものあいだ、大災害が起きても、外交問題が発生しても、株価が下がっても、異常な円高が続いても、何もしないに等しい行動しかできなかった政権を生み出したのは、一体誰ですか。
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繰り返しますが、長い年月をかけておかしくなっていったものを立て直すには、やはりそれなりの年月を覚悟しなければなりません。脊髄(せきずい)反射のように焦って対応しようとすれば、それこそ井伊直弼の二の舞となってしまうのが目に見えています。
また、過去の政権による「不作為」をすべて安倍首相のせいにして、現状の不満を総理に押し付けるのもおかしな話ではないですか。現世は「おとぎ話」ではありません。一寸法師で有名な「打ち出の小づち」など、この世に存在しないのです。
もちろん、安倍政権に対する「真っ当な批判」は重要です。叱咤激励(しったげきれい)こそが我が国浮上のカギを握るでしょうが、それが政権打倒という「非難」と化しては、元も子もありません。
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この講座(第63回)は、平成29(2017)年11月から12月にかけて行われており、ちょうど第48回衆議院議員総選挙が終わったばかりですが、選挙という民主的かつ正当な手段によって、今回も多くの国民から信任されたのが安倍政権なのです。
「外交は、単に周辺諸国との二国間関係を詰めるのではなく、地球儀を眺(なが)めるように世界全体を俯瞰(ふかん)して、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった基本的価値に立脚し、戦略的な外交を展開していくのが基本である。大きく成長していくアジア太平洋地域において、我が国は、経済のみならず、安全保障や文化・人的交流など、さまざまな分野で先導役として貢献を続けていく」。(第2次安倍内閣の所信表明演説より)
「地球儀を俯瞰する外交」による「長期的なビジョン」を持ったうえで、「10年先」そして「100年先」を見据えているからこそ、5年にも及ぶ長期政権を維持している安倍首相を、我が国の未来のためにも、今後も堂々とご活躍していただけるよう、一日本国民として支えていくのが筋というものではないでしょうか。
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(※第63回歴史講座の内容はこれで終了です)
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