「遠山の金さん」は、以前から映画やテレビ、あるいは歌舞伎などで何度も取り上げられている「正義の味方」ですが、このうち映画の世界では、片岡千恵蔵(かたおかちえぞう)主演の作品が特に有名です。
テレビ時代劇としては、昭和45(1970)年に放送が始まった中村梅之助(なかむらうめのすけ)主演の「遠山の金さん捕物帳」が人気となり、その後に杉良太郎(すぎりょうたろう)が昭和50(1975)年から「遠山の金さん」を演じたことで、金さんの人気はピークに達しました。
その他にも、市川段四郎(いちかわだんしろう)や橋幸夫(はしゆきお)、高橋英樹(たかはしひでき)や松方弘樹(まつかたひろき)に松平健(まつだいらけん)、さらには西郷輝彦(さいごうてるひこ)や里見浩太朗(さとみこうたろう)など、数多くの名優がこれまでに金さんを演じています。
さて、そんな「遠山の金さん」のストーリーですが、せっかくの機会ですので、その大まかな筋書きをこれから紹介したいと思います。
※下記の映像は7月7日までの掲載分をまとめたものです。映像の途中で「遠山の金さん」のパフォーマンスがあります(笑)。
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普段は気さくな遊び人として周囲からも親しまれていますが、いざ人殺しなどの大きな事件が起こると、被害者やその身辺の人々に巧みに取り入って、事件の全容を次第につかんでいきます。そして、ついに姿を現した悪家老や悪徳商人、あるいは盗賊などが被害者を殺そうとする一歩手前で、着流し姿の金さんが颯爽(さっそう)と現れます。
「お前たちの悪行の数々、この金さんがすべて見せてもらったぜ!」
金さんがそう叫ぶと同時に片肌を脱ぐと、そこには見事な桜吹雪の刺青(いれずみ)が彫られています。そして「この金さんの桜吹雪、散らせるものなら散らしてみやがれ!」と金さんが啖呵(たんか)を切ると、襲い掛かる悪人から刀を奪い、峰を返して(=刃を逆に向けて)バッタバッタと悪人どもを痛めつけます。
ちなみにこの場合、刀の峰を返しているので、悪人は斬られることはありません。これを「峰打ち」といいますが、刃と反対側の鉄の棒状のようなもので殴られるわけですから、実際には相当痛いはずです(笑)。
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ぴーち こんばんは!
確かに痛いでしょうね(^_^;)
私は峰打ちされた事は有りませんが
たまに鉄製の物干し竿に
頭を思い切りぶつけた時には
一瞬、蹲る程の衝撃でしたね・・(苦笑)
ぴーちさんへ
黒田裕樹 本物の峰打ちはあばらが折れるそうですから、推して知るべしですよね…。
出来れば一生食らいたくないものです。
ここで舞台は変わって、北町のお白州(しらす)となります。ちなみにお白州とは、今でいう裁判所の公判室のことです。
正装で威厳を正した北町奉行・遠山左衛門尉の目の前で、悪人どもは平然とシラを切ります。たまりかねた被害者が「金さんという人がすべてを知っています!」と訴えますが、悪人どもは「金さん?誰だそれは」「聞いたこともねぇなぁ」「本当にいるのなら、ここに連れて来いよ」と次々にはやしたてます。
言葉に詰まった被害者がうつむくと、悪人どもはますます調子づき、被害者のみならず奉行の遠山にまで毒づき始めました。このままではお白州が成り立たなくなってしまうと思われたその時!
それまで悪人どもの饒舌(じょうぜつ、やたらにしゃべること)を黙って聞いていた遠山が、急に大声で怒鳴り散らします。
「やかましいやい!」
何が起きたのかといぶかしげに見守る悪人どもを前に、遠山はさらに続けます。
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遠山が啖呵(たんか)を切って片肌を脱ぐと、そこには目にも鮮やかな桜吹雪の刺青が!
「お前たち、これでもまだシラを切ろうってのかい!」
「あの時の金さんだ!」嬉しそうに叫ぶ被害者。まさか、という思いで呆気(あっけ)にとられる悪人ども。やがて身なりを整えた金さん、いや奉行の遠山が悪人どもに死罪などの厳しい裁きを言い渡すと、大抵の悪人どもはがっくりとうなだれますが、中には破れかぶれで遠山に襲いかかる者もいます。
しかし、遠山にあっさりと一蹴されてしまい、逆上してわめき散らしながら追い出されるという惨めな最期を迎える悪人ども。すべてが終わった後、遠山は被害者にねぎらいの言葉をかけると、立ち上がって決め台詞を言います。
「これにて一件落着!」
以上が「遠山の金さん」の大まかなストーリーですが、まさに勧善懲悪を地で行く痛快なドラマであるといえますね。しかし、史実の金さん、いや遠山景元は本当にこんなお裁きを行っていたのでしょうか。もちろん答は「No」です。
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さらに、町奉行が事件の当事者として判決を下すということ自体が、本来は有り得ないのです。お白州で裁きを言い渡すということは、今でいう裁判官による判決の申し渡しにあたりますが、現代の法律では、刑事裁判で裁判官に予断(=結果を前もって判断すること)を与えないために、起訴状のみを提出してそれ以外の証拠を出してはならないことになっており、これを「起訴状一本主義」といいます。
これは、裁判官が事件について先入観を持たずに審理することで、中立公正な判断を行うことを意図して定められたものです(刑事訴訟法第256条6項)。
一方、金さんはドラマの世界で捜査や訴追(そつい、刑事裁判を行うよう訴えを起こすこと)だけでなく、裁判の全てを行っていることになりますが、これでは被告人が有罪であるという先入観を持ってしまうことになるので、公平な判断など望めるはずがないのです。
そうなると不思議なのは、遠山景元という実在の人物に、どうしてこのような「架空の物語」が創り出されたのか、ということですね。これには、史実における遠山景元が北町奉行として活躍していた、当時の時代背景が深く関わっているのです。
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