開国に伴(ともな)う物価の上昇などの経済の混乱や、様々な抗争(こうそう)がもたらした政局の激変(げきへん)ぶりによって社会不安が増大したことで、変革を求める民衆運動(みんしゅううんどう)は世直(よなお)しとして大きなエネルギーとなりました。
全国の農村や都市部で一揆(いっき)や打ちこわしが頻発(ひんぱつ、たびたび発生すること)したほか、後に教派神道(きょうはしんとう)と呼ばれた備前(びぜん)の黒住教(くろずみきょう)や大和(やまと)の天理教(てんりきょう)、備中(びっちゅう)の金光教(こんこうきょう)が急激(きゅうげき)に広まり、伊勢神宮への御蔭参(おかげまい)りも爆発的(ばくはつてき)に流行しました。
庶民による膨大(ぼうだい)なエネルギーは、1867年の秋から冬頃の東海道や近畿地方にかけて熱狂的な「ええじゃないか」という集団行動をもたらし、討幕運動にも大きな影響を与えるようになりました。
一方、幕府は積極的に西洋文化を受けいれるようになり、蕃書調所(ばんしょしらべしょ)で様々な洋学が教えられたほか、医学分野では種痘所(しゅとうしょ)が設けられました。また、西周(にしあまね)や津田真道(つだまみち)、あるいは福沢諭吉(ふくざわゆきち)や森有礼(もりありのり)・伊藤博文(いとうひろぶみ)など、幕府や薩長などの諸藩から多くの留学生が派遣(はけん)されました。
また、開国によって外国人の宣教師(せんきょうし)や新聞記者が来日したことによって、彼らを通じて西洋文化が直接広まったほか、浮世絵(うきよえ)をはじめとする我が国の文化が1867年に開かれたパリ万国博覧会(ばんこくはくらんかい)で紹介されるなど、文化の交流も盛(さか)んとなりました。
特に浮世絵はモネやゴッホなどのヨーロッパ印象派の画家に広まるなど、世界の芸術にも大きな影響を与えています。
(※下線を引いた事例については、リンク先もご参照下さい)
(※これで江戸時代・後期は終了です。次回[新年1月1日]からは明治時代の更新を開始します)





いつも応援いただきまして、本当に有難うございます。
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オバrev 1年間休むことなく、分かりやすい講演をありがとうございました。
しかし、まさに激変の時代だったんですね。
それを乗り越えてきた我々の祖先の素晴らしさに乾杯をして新年をむかえたいと思います。
オバrevさんへ
黒田裕樹 お言葉有難うございます。
こちらこそ、この一年お世話になりました。
仰るとおり、文化面に関しても激動の時代でした。
名もない多くの人々が我が国の歴史を支えているという重たい事実を胸に、新たな年を迎えたいと思います。
なおまゆ 沢山勉強させていただきました。有難うございます。来年もよろしくお願い致します。
(^^)
kana 今年一年、楽しい記事をありがとうございました。
連日UPを欠かさずにされていることと、この内容の濃さ・・・
今年一年勉強させて頂きました。
来年もよろしくお願いいたします。
なおまゆさんへ
黒田裕樹 こちらこそお世話になり、有難うございました。
来年も日々の内容ある更新を目指して頑張りますので、よろしくお願いします。
kanaさんへ
黒田裕樹 お言葉有難うございます。
来年も今年以上の内容の充実を目指して励みますので、よろしくお願いします。
よいお年を
癒しグマ 今晩は。
今年は大変お世話になり有難うございました。
来年もよろしくお願いいたします。
黒田さんにとってさらに飛躍の年でありますように、よいお年を。
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癒しグマさんへ
黒田裕樹 こちらこそお世話になりました。
仰るとおり飛躍の年になりますよう来年も精進しますので、どうぞよろしくお願いいたします。