大航海時代の先頭に立っていたのは、早くから絶対主義の王国を形成していたイベリア半島の王国であるイスパニア(=スペイン)とポルトガルでした。両国は産業や貿易を保護して輸出を拡大し、国富(こくふ、ここでは国家の財産全体のこと)の増大を目指す重商主義(じゅうしょうしゅぎ)に基(もと)づいて、植民地の獲得に力を注ぎました。
やがてイスパニアはアメリカ大陸に植民地を広げると、16世紀半ばには太平洋を横断して東アジアに進出し、フィリピン諸島(しょとう)を占領して、ルソン島のマニラを根拠地(こんきょち)としました。
一方、ポルトガルはインド洋で貿易を行っていたアラブ人を追い出すと、インド西海岸のゴアを根拠地として東へ進出し、マレー半島のマラッカから明(みん)のマカオにも拠点を築きました。要するに、イスパニアは西廻(まわ)りで、ポルトガルは東廻りでそれぞれアジアに進出したことになります。




いつも有難うございます。
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ぴーち こんばんは!
日本は戦国の世だと言うのに、西洋では既に近代化に向けてのエンジンが掛かり始めていたんですね。
最近特に思うのですが。。
これは私の偏った考え方で恐縮なのですが、余りにも急速に成長を遂げた国というのは、身を滅ぼすのも早まるもので、大河が流れる如く、ゆっくりと時間を掛けて少しずつ成長した国との比ではない様に存じます。
今回、領土問題で騒ぎを起している国も何千年という重く貴重な歴史を今世紀で消耗してしまわないことを願うばかりですが。。
サクラ このころから西洋人が日本に渡ってくるんですね。
案外グローバルだったことに驚かされます。
『フロイスの日本史』なんか興味深そうなので、読んでみようかと思っています。
語学の観点から、当時の発音も知りたいですし。
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > 日本は戦国の世だと言うのに、西洋では既に近代化に向けてのエンジンが掛かり始めていたんですね。
そうですね。我が国の戦国時代も近代化が進む可能性はあったのですが、鎖国状態に入ってしまいましたからねぇ…。
> 最近特に思うのですが。。
> これは私の偏った考え方で恐縮なのですが、余りにも急速に成長を遂げた国というのは、身を滅ぼすのも早まるもので、大河が流れる如く、ゆっくりと時間を掛けて少しずつ成長した国との比ではない様に存じます。
> 今回、領土問題で騒ぎを起している国も何千年という重く貴重な歴史を今世紀で消耗してしまわないことを願うばかりですが。。
なるほど、そういう視点もありますよね。
「何でも自分の思い通りになる」という考えは、国際社会ではそう簡単には通用しませんからね。
サクラさんへ
黒田裕樹 > このころから西洋人が日本に渡ってくるんですね。
> 案外グローバルだったことに驚かされます。
欧州諸国が我が国にやってくるのはそれなりの理由があるんですよ。
次回(21日)以降の更新で明らかにしたいと思います。
> 『フロイスの日本史』なんか興味深そうなので、読んでみようかと思っています。
> 語学の観点から、当時の発音も知りたいですし。
フロイスの日本史は独特の視点から切り込んでいますからね。
きっと興味を持たれると思いますよ。
黒田裕樹さん
風早 りら 日本が戦国時代
ヨーロッパは大航海時代
凄い差ですよね
でも その半面
現在の日本を想うと
ここまで よく 頑張ったものですよね
風早りらさんへ
黒田裕樹 > 日本が戦国時代
> ヨーロッパは大航海時代
> 凄い差ですよね
> でも その半面
> 現在の日本を想うと
> ここまで よく 頑張ったものですよね
大航海時代と戦国時代とでは差が大きいと思われがちですが、それほどでもないんですよ。
いずれ詳しく紹介しますが、我が国の鉄砲の数は当時で世界一だと言われていますしね。
戦国時代は確かに生命が軽んじられていた時代ではありましたが、サバイバル性が強かった分、技術の進歩は素早かったんです。
当時のイスパニアとポルトガルとの間には、15世紀末の1494年、大西洋(たいせいよう)を東西に分ける一本の線が引かれ、この線から東側で発見されるものはすべてポルトガルに、西側で発見されるものはすべてイスパニアに属するという取り決めが、カトリックのローマ教皇(きょうこう)の承認によって結ばれました。これをトルデシリャス条約といいます。
まるで地球を饅頭(まんじゅう)を二つに割るかのように分割するというとんでもない発想ですが、これは当時の白人至上主義(はくじんしじょうしゅぎ)による人種差別に基づく当然の思想でもありました。そして両国は条約の取り決めを守りながら着実に植民地化を進め、その過程では南アメリカ大陸西側にあったインカ帝国や、メキシコ中央部にあったアステカ帝国という二つの国が滅ぼされ、国民の生命や財産、さらに文化が永遠に失われてしまうという悲劇が生じていたのです。
一方、当時の東アジア地域では明が倭寇(わこう)の鎮圧(ちんあつ)や密貿易の禁止のために海禁政策(かいきんせいさく)をとっていましたが、実際には明以外にも我が国や朝鮮・琉球・安南(あんなん、現在のベトナム)などの人々が幅広(はばひろ)く中継貿易を行っていました。そして、ヨーロッパ人による東アジアの進出は、これらの中継貿易に参加して莫大(ばくだい)な権益を得ようとする目的もあったのです。
(※下線を引いた事例については、リンク先もご参照下さい)




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ぴーち こんばんは!
確かに「大航海時代」などと聞くと
イメージとしては雄大で、明るい世界が思い浮かぶのですが、実際はそうでは無かったのですね。
関係のない話ですが、「ONE PIESE」なども「大海賊時代」などというスローガンを掲げていますが、シンプルに考えれば、殺し合いですものね(><)
インカや、アステカはこの頃の時代に消え去ってしまったのですね(TT)
チチカカ湖とか、クスコとか、そんなエキゾチックで神秘的な場所は一度現地をみて歩きたいという願望はありますねぇ^^
応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > 確かに「大航海時代」などと聞くと
> イメージとしては雄大で、明るい世界が思い浮かぶのですが、実際はそうでは無かったのですね。
> 関係のない話ですが、「ONE PIESE」なども「大海賊時代」などというスローガンを掲げていますが、シンプルに考えれば、殺し合いですものね(><)
実際そうですからね。
海賊の楽しい冒険はあくまで漫画の世界。現実は激しい殺し合いで、見るに堪えませんからね(´・ω・`)
> インカや、アステカはこの頃の時代に消え去ってしまったのですね(TT)
> チチカカ湖とか、クスコとか、そんなエキゾチックで神秘的な場所は一度現地をみて歩きたいという願望はありますねぇ^^
白色人種ほど、他人や他国の文化や文明を滅ぼした人種はありませんからね。
我が国が島国で良かったなと思えるほどです。
せめて神秘的な場所に当時の面影を探ってみたいものですね。
黒田裕樹さん
風早 りら 植民地化
以前より 考えていました
何故 人間は ここまで 欲深いのかと
領土を広げること
戦争は全て そこから 始まっているかの
ようです 悲しいですよね
風早りらさんへ
黒田裕樹 > 植民地化
> 以前より 考えていました
> 何故 人間は ここまで 欲深いのかと
> 領土を広げること
> 戦争は全て そこから 始まっているかの
> ようです 悲しいですよね
そうですね。
特に白色人種は20世紀前半まで、有色人種の国を次々と植民地化して、何の罪もない人々を奴隷のごとく扱っていました。
この状態からようやく抜け出せたのはつい最近、60年ほど前です。
きっかけを作ったのは、結果として白色人種の国と激しく戦った有色人種の国、つまり我が国なんですよね。
これも歴史の事実の一つです。
ノー天気な日本人。
晴雨堂ミカエル 20年近く前でしたか、コロンブスの大西洋横断成功500周年記念に復元したサンタ・マリア号で航海するイベントがありました。嬉々として参加したのが日本人です。
これこそ国辱行為です。
韓国朝鮮・中国、そしてラプラタ王がいたフィリピンでは大航海時代の意味を学校でしっかり教えているのに、日本はチョモランマ初登頂と同じ感覚で紹介しています。愚かなことです。
晴雨堂ミカエルさんへ
黒田裕樹 > 20年近く前でしたか、コロンブスの大西洋横断成功500周年記念に復元したサンタ・マリア号で航海するイベントがありました。嬉々として参加したのが日本人です。
> これこそ国辱行為です。
> 韓国朝鮮・中国、そしてラプラタ王がいたフィリピンでは大航海時代の意味を学校でしっかり教えているのに、日本はチョモランマ初登頂と同じ感覚で紹介しています。愚かなことです。
そういえばありましたね。
歴史を知らないということは、世界中で笑いものにされるという痛々しい話でした。
一般人はもちろん、為政者にとっても大きな教訓のはずなのですが…。
紗那 教皇子午線とかトルデシリャス条約の話ですよね。以前にそういう条約が昔結ばれてたんだよ、という話を聞いて半信半疑だったんですが、この前の世界史の授業でほんとに出てきてびっくりしました。
小学生のときに国調べの宿題でペルーのことを調べたことがあり、インカ帝国に少なからずの愛着があります。
そのときはスペイン許すまじ、でしたけど、こういう歴史的経緯を知ると、仕方の無いことでもあったのかなと思いました。
紗那さんへ
黒田裕樹 > 教皇子午線とかトルデシリャス条約の話ですよね。以前にそういう条約が昔結ばれてたんだよ、という話を聞いて半信半疑だったんですが、この前の世界史の授業でほんとに出てきてびっくりしました。
地球を真っ二つに割るなんて冗談のような話ですからね。
でも、当人たちは本気でできると思っていた節はありますね。実際に行動していましたから。
> 小学生のときに国調べの宿題でペルーのことを調べたことがあり、インカ帝国に少なからずの愛着があります。
> そのときはスペイン許すまじ、でしたけど、こういう歴史的経緯を知ると、仕方の無いことでもあったのかなと思いました。
この当時は「力あるもの」「武力を持っているもの」が当然のように支配する世の中でしたからね。
人間同士の秩序に関する歴史はまだ新しいものだとも言えますから。