その背景には、いつまでも中国大陸からの文明に頼らなくても、独立国として自力の文化を発展させることができるという強い自負もありました。そして、894年に菅原道真が遣唐使の大使に任命された際に派遣の中止を建議して認められた直後の907年、唐はついに滅亡しました。
唐の滅亡後は五代十国(ごだいじっこく)による諸王朝の興亡が続いた後に、960年に宋(そう)が建国されました。既に独自の文化が発展しつつあり、大陸からの積極的な文化の交流の必要性がなかった我が国は、臣下(しんか)の礼をとらなければならない朝貢外交(ちょうこうがいこう)を嫌って、宋とは正式な国交を結びませんでした。
我が国では商船が宋へ渡航することも禁じましたが、その一方で北九州に来航した宋の商人が私的な貿易を行ったことにより、書籍や陶磁器などの工芸品や薬品などが輸入されました。また、我が国の僧侶(そうりょ)が新たな教えを求めるために朝廷の許可を得て宋に渡ることも珍しくありませんでした。
尚、宋は後の12世紀に一旦滅亡した後に再興されましたので、後代(こうだい)と区別するために、この時代では北宋(ほくそう)とも呼ばれています。




いつも有難うございます。
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marihime 黒田さんこんばんは♪
コメントありがとうございました。
更新を毎日続けるのって大変ですね~。
ほんとに頭が下がります。
でも「継続は力」ということもありますから、頑張ってくださいねσ(゚ー^*)
ポチポチ
marihimeさんへ
黒田裕樹 こちらこそコメント&応援有難うございます(^o^)丿
> 更新を毎日続けるのって大変ですね~。
> ほんとに頭が下がります。
> でも「継続は力」ということもありますから、頑張ってくださいねσ(゚ー^*)
こんなブログではありますが、毎日のように訪問下さる有難い方々ばかりですので、皆様のご期待に応えるためにも更新を続けようという気概にもなっています。
何事もそうですが、自分ひとりだけでは何もできないんですよね。
そうかぁ
JJSG そう(宋)なんですかぁ。。。(笑)
平安時代、に限らず、歴史は、深い。。。
JJSGさんへ
黒田裕樹 諸外国の歴史も日本史に密接にかかわってきますからね。
宋は北宋と南宋がありますから要注意です。
紗那 なるほど。
道真さんは、僕達受験生の味方と言う認識でしたが、やはり先見の明があったんですねー。
ただ、宋と貿易をしなかったのは、そのだいぶ後の足利義満とは違うスタンスですか。 みんな考えることが似ているようで、違う・・・
ぴーち おはようございます!
昨日はブログがなかなか開示してくれなくて、コメント断念してしまいました(><)
今日は仕事なので、早目にコメントを^^
(昨日は、何とか応援だけは出来ました♪)
といつつ、言い訳のようなコメントで、すみません^^;
また、続きを楽しみにお邪魔しますね^^
応援凸
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日本の外交力
オバrev 宋とは国交を結ばなかったんですね。
中国の歴史には疎いオバですので、菅原道真遣唐使廃止、日宋貿易と言えば平清盛、日明貿易といえば義満という関係から、唐~宋~明と政権が変わったことを理解してます(^^;)
ただ、中国というのは大陸ですから、政権交代も、日本が国内だけで天皇を頂点とした政権交代であるのに対して、外国を含めたダイナミックで激しいものだったんじゃないかと想像します。
この辺の経験の積み重ねが、今の日本の外交力のなさに繋がっているのではないでしょうか。
紗那さんへ
黒田裕樹 > 道真さんは、僕達受験生の味方と言う認識でしたが、やはり先見の明があったんですねー。
菅原道真の賢明な判断がなければ、政権末期で非常に不安定になっていた唐から脱出できずに、滅亡による大混乱に巻き込まれた可能性が十分に考えられますからね。そうなってしまえば何のための留学なのか。
何かを始める決断も大切ですが、「止める」決断はそれ以上に重要なんですよね。
> ただ、宋と貿易をしなかったのは、そのだいぶ後の足利義満とは違うスタンスですか。 みんな考えることが似ているようで、違う・・・
(我が国からすれば)肩を並べるほどに国力が充実している相手(=宋)に対して、わざわざ頭を下げる必要はないというプライドがあったんですね。ただ、貿易自体は非常にもうかりますから、私的に交流を続けていたわけです。後に紹介する平清盛も日宋貿易を積極的に行っていますし。
仰るように、足利義満の場合はかなりスタンスが違います。義満は「将軍たる自分こそが我が国の代表だ」とする強い自負と、交易のためなら頭を下げることもいとわないという現実路線から、自らを「日本国王」として臣下の礼をとった日明貿易を行っています。義満については(いつできるか分かりませんが)いずれ機会を改めて紹介しますね。
ぴーちさんへ
黒田裕樹 いつも応援有難うございます(^o^)丿
昨日はなぜかブログが開きにくかったようで、ぴーちさんの他にも同じようなご連絡がありました。FC2は非常に便利で有難いんですが、たまにこういう事態があるのが玉に瑕ですよね。ご迷惑をおかけしてすみませんでしたm(_ _)m
またお帰りになられた際に時間がございましたら、是非ご覧になって下さいね(^_^)v
また、朝鮮半島では我が国と複雑な外交関係となっていた新羅(しらぎ)が9世紀末に衰えて分裂した後に、10世紀始めに建国された高麗(こうらい)によって滅ぼされました。高麗は後に朝鮮半島を統一しましたが、我が国は高麗とも正式な国交を結ぼうとはしませんでした。
我が国と隣国との正式な外交関係は、こうして10世紀の間にぷっつりと途切れました。その背景には、後に紹介する我が国独自の文化が発展し、諸外国からの文化の交流を必要としなくなるほどに隆盛を極めたという事実が確かにありました。
しかし、いかに我が国が海で囲まれているからとはいえ、諸外国と正式な国交を結ばなかったうえに、軍隊すら持っていなかったという現実は、あまりにも無防備でしかありませんでした。では、後の元寇(げんこう)のように、この時代に我が国が諸外国の軍勢や海賊などに襲われたことはなかったのでしょうか?
実はあったのです。




いつも有難うございます。
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うにた 「・・・なかったのでしょうか? 実はあったのです」
問いかけのテクニックが
超一流ですね。
事務職員にしておくのは
どう考えてももったいない。
続き
JJSG 続きが気になる。。。
さて、どんなことがあったのか?
ひょっとして鎖国してましたか?
オバrev 日本の10世紀って、鎖国だったんですか?
元寇は13世紀ですから、この10世紀頃に攻めてくるとしたら、高麗が対馬あたりを攻める(?_?)
全く見たことも聞いたことも読んだこともないので分かりません
うにたさんへ
黒田裕樹 お言葉有難うございます。
現状に満足せず、常に上昇志向であり続けたいと自分にハッパをかけております(笑)。
今後ともよろしくお願いします。
JJSGさんへ
黒田裕樹 平安時代の対外関係についてはご存じない方が多いですからね。
私個人としては「意識的に忘れられた」点もあると思っております。
オバrevさんへ
黒田裕樹 > 日本の10世紀って、鎖国だったんですか?
当時の朝廷は意識してませんでしたが、実質的には似たような状態になっていましたね。いずれにせよ、鎖国の状態は、江戸時代に始まったことではないのです。
> 元寇は13世紀ですから、この10世紀頃に攻めてくるとしたら、高麗が対馬あたりを攻める(?_?)
> 全く見たことも聞いたことも読んだこともないので分かりません
次回(18日)をご期待下さい。我が国で「忘れ去られた歴史」のひとコマでもあります。
こうした非常事態に当時の大宰権帥(だざいごんのそち)であった藤原隆家(ふじわらのたかいえ)は、各地の地方武士を率いて奮戦し、わずか十数日間で刀伊を撃退しました。記録上、我が国の領土に上陸した敵軍を倒した初めての出来事であったこの戦いは、後に刀伊の入寇(といのにゅうこう)と呼ばれています。
さて、海賊による我が国への侵略を撃退した藤原隆家の勇敢な行為は、現代から見ても表彰ものですが、当時の朝廷は、隆家にどんな褒賞(ほうしょう)を与えたと思いますか?
実は何も与えていないのです。それどころか、隆家の行為を叱責(しっせき)すらしているのです。
その理由としては、刀伊の入寇が起こったことの朝廷への報告が遅れて、朝廷が侵略を知ったときには既に女真族が撃退された後だったから、という「手続上の問題」が挙げられていますが、そんな形式的な理由よりも、当時の朝廷による「鉄則」が背景にあったからでした。
では、その「鉄則」とは何でしょうか。カギを握るのは、我が国固有の文化である「和歌」です。




いつも有難うございます。
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JJSG こんにちは。
海賊を撃退したんだから、よさそうなものなのに。。。
なぜ?
それも、「和歌」が鍵をにぎるとは。
なんだろう。。。
怒った理由
オバrev 刀伊の入寇、うーん、初めて知りました。
朝廷の和歌に関する鉄則?
・・・まず、どんなことがあっても和歌を詠んでから始める。和歌は記録という面を持っていた??
つまり、この海賊退治のことが和歌に詠めなかったと言って怒った(^^;)
JJSGさんへ
黒田裕樹 ヒントを挙げれば、「海賊を撃退したのは誰のお陰か?」ということなんです。
そして、その過程に「和歌」が存在しています。
オバrevさんへ
黒田裕樹 > 刀伊の入寇、うーん、初めて知りました。
やはり有名ではないみたいですね。ここにも我が国の問題点が存在しているのですが…。
> 朝廷の和歌に関する鉄則?
> ・・・まず、どんなことがあっても和歌を詠んでから始める。和歌は記録という面を持っていた??
> つまり、この海賊退治のことが和歌に詠めなかったと言って怒った(^^;)
海賊かどうかはともかく、我が国に危害を与えるものは存在しないのが大前提になっているんですよ。
なぜなら…。
なるほど
JJSG ふたたびこんばんは。
ヒントでわかった気がします。
答えは、この先の記事を楽しみにしています♪
JJSGさんへ その2
黒田裕樹 お分かりになられましたか(^^ゞ
明日の記事で是非ご確認下さいm(_ _)m
ぴーち こんばんは!
先程から、私もブログコメンの不具合があって、
コメント欄を承認性にしてみたりと、色々と
試行錯誤を施していたら、こんな時間に^^;
和歌ですか。
しかも、九州と言えば「防人歌」が和歌では有名
かと推測しますが、どうでしょか??
応援です^^
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > 先程から、私もブログコメンの不具合があって、
> コメント欄を承認性にしてみたりと、色々と
> 試行錯誤を施していたら、こんな時間に^^;
お互い忙しいですね(´・ω・`)
> 和歌ですか。
> しかも、九州と言えば「防人歌」が和歌では有名
> かと推測しますが、どうでしょか??
さぁ、どうでしょうか?(^^ゞ
次回(19日)の更新をお楽しみに!
「力の一つも入れずに天地の神々を動かし、目に見えないあの世の霊魂(れいこん)を感激させ、男女の仲を良くして、武人の心すら和やかにすることができるのが和歌なのです」。
要するに、和歌さえ詠(よ)んでいれば、それに潜(ひそ)む超自然的な存在によって、自分たちの思いどおりに世の中を動かすことができる、ということなのです。
当時の朝廷では、和歌によって我が国の「平安」を祈っていれば、その力によって我が国が平和になる、と本気で信じていた傾向がありました。その「鉄則」からすれば、藤原隆家が武力で海賊が撃退したことは「余計なこと」であり、だからこそ当時の朝廷は隆家に恩賞を与えなかったばかりか、彼を叱責すらしたのでした。
当時の朝廷の行為には理解しがたいものがありますが、冷静に考えれば、現代の私たちも「悪いことが起きませんように」と日々を過ごすことはあっても、万が一のための備えをついつい忘れがちなことはないでしょうか。あるいは法律の効力を過信して、我が国がいつまでも平和であり続けると思い込んではいないでしょうか。
何事も起きなければ良いに越したことはありません。しかし、危機管理を普段から施(ほどこ)すとともに、私たちも「万が一」のことを常日頃からしっかりと意識しておかなければ、いざというときの災害や侵略を防ぐのが難しくなることは明らかです。
刀伊の入寇は、現代にも通じる我が国にとっての大きな教訓を与えているといえるでしょう。




いつも有難うございます。
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JJSG こんにちは。
神信心かなぁ、と思っていたら、和歌信心でしたか!
予想とちょっとはずれたけど、まあ、似たようなものですね。
時代がかなり昔とはいえ、和歌さえ読んでいれば、なにもかも願いがかない、災いもなくなる、といった迷信が本気で信じられていたとは知りませんでした。
時代が移って、科学が進歩した現代でも、迷信・邪信はあいかわらず根強く横行していますね。
万が一に備える、危機管理。
大切だと、勉強になりました。
もうひとつ突っ込んで言わせていただくと。
万が一に対する備えさえ大切なのですから、全人類の100%確実な未来に対する「死」に対する備えはいかがでしょうか?
いざ、「自分の死」に直面してからでは遅いです。
生きている今、「自分の死」に対して万全に備えるために教えられたのが、真実の仏法です。
友愛
オバrev いったい誰がそんなことを言い始めたんでしょうか。なにかF氏が意図的にそうしたか、たまたま和歌に詠んだようにうまくいくことがあったか?
まあマスコミ報道に流されている現代も大差ありませんが >_<;
危機管理に関しては、今の民主党政権は非常に危ないと思います・・・友愛精神で何とかなるとでも(;^ω^)?
JJSGさんへ
黒田裕樹 和歌の世界で「良いこと」ばかりを詠むことによって、悪いことが起きないようにする…まさに言葉に魂が宿るという「言霊(ことだま)」の世界だと思います。
政治の世界で言霊を盲信することは、今回のように非常に危険なことです。悪いことが起きることを想定することは縁起でもないことですが、危機管理ができないような政治はやはりお断りですね。
もちろん、政治とは関係なく我が国の繁栄を和歌に託して祈る行為は崇高なことだと思っております。
仏法のお話、有難うございました。自分の身のこともきちんと考えなければいけませんね。
オバrevさんへ
黒田裕樹 > いったい誰がそんなことを言い始めたんでしょうか。なにかF氏が意図的にそうしたか、たまたま和歌に詠んだようにうまくいくことがあったか?
誰が言い出したというよりも、「言葉に魂が宿る」という考えは、我々日本人が古来より意識していることだと思います。雨が降らないように「晴れてほしい」と祈るとか…。
> まあマスコミ報道に流されている現代も大差ありませんが >_<;
> 危機管理に関しては、今の民主党政権は非常に危ないと思います・・・友愛精神で何とかなるとでも(;^ω^)?
仰るとおりだと思います。いい加減な報道に流される姿勢は、「ある出来事」にも共通すると思います。それは何かというと…24日までお待ち下さいm(_ _)m
こんばんは
スカイラインV35 日本は海に囲まれ平和に恵まれていた(過去形)とはいえ、対馬は約4回ほど直に侵攻を受けているんですよね。
それが戦争だとはいえ、蹂躙の歴史は正視に堪えませんね。
現代は安全保障の分野が、エネルギー、食糧、サイバーテロ、生物テロ、自爆テロ、核兵器、歴史問題、その他多岐にわたりますが、危機管理の観点から十分教訓として受け止めたいですね。
スカイラインV35さんへ
黒田裕樹 > 日本は海に囲まれ平和に恵まれていた(過去形)とはいえ、対馬は約4回ほど直に侵攻を受けているんですよね。
> それが戦争だとはいえ、蹂躙の歴史は正視に堪えませんね。
確かに学ぶに忍びないものがあります。しかし、良いことも悪いことも直視してこその歴史教育ですから、特に教える側が逃げる訳にはいきません。
> 現代は安全保障の分野が、エネルギー、食糧、サイバーテロ、生物テロ、自爆テロ、核兵器、歴史問題、その他多岐にわたりますが、危機管理の観点から十分教訓として受け止めたいですね。
全くもって同感です。今の我が国には仰るような危機管理がなされているのでしょうか…。
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ぴーち >和歌によって我が国の「平安」を祈っていれば、その力によって我が国が平和になる
日本人は、結構そう言う所がありますよね。
無宗教の方が、たった年に一度だけ元旦に神社、仏閣に出向いて、とりあえずはお賽銭を授けて、お願いだけすれば、願いが叶う・という
。。正直、誰もがそれだけで幸せになれるのなら、苦労はいらないと思います。地獄の沙汰も金次第?
お金を積めば、幸せになれる?
人間の業なんて、それだけじゃ経ち切れませんし、
そんなに単純なはずが無いと思えてなりませんね。
応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > >和歌によって我が国の「平安」を祈っていれば、その力によって我が国が平和になる
> 日本人は、結構そう言う所がありますよね。
他の皆様へのコメントにも少し書きましたし、次回(21日)に詳しく記事にする予定ですが、日本人は古来より「言葉に霊魂が宿る」と真剣に考えているところがありますからね。縁起の良いことばかりを口にして、「あって欲しくないこと」は口にしないどころか、考えもしないのが普通です。それが危機管理の認識不足の原因にもなっているんですよね。
> 無宗教の方が、たった年に一度だけ元旦に神社、仏閣に出向いて、とりあえずはお賽銭を授けて、お願いだけすれば、願いが叶う・という
> 。。正直、誰もがそれだけで幸せになれるのなら、苦労はいらないと思います。地獄の沙汰も金次第?
> お金を積めば、幸せになれる?
> 人間の業なんて、それだけじゃ経ち切れませんし、
> そんなに単純なはずが無いと思えてなりませんね。
私もそう思います。日本人の多数が「宗教」について真剣に考えておらず、信仰心もほとんどない状態になっていますから、逆に「地獄の沙汰も金次第」という発想に行き着いてしまいますよね。
世界には宗教同士で血で血を争う紛争が絶えない地域が今でもありますし、かつての我が国もそうでした(いずれ私の講座でも紹介します)から、そんな状態に比べれば、政教分離がしっかりしている今の状態は歓迎すべきだとは思いますが、それにしても極端ではありますね。
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