日露戦争の勝利によって朝鮮半島からロシアが手を引いたことで、我が国はようやくロシアの南下政策を食い止めるとともに、韓国の独立を保(たも)つことができました。しかしながら、清国からロシアへと事大主義に走る傾向が見られた韓国をそのままの状態にしていれば、またいつ「第二、第三のロシア」が出現して、韓国の独立と我が国の安全保障が脅かされるか分かりません。
そこで、我が国は韓国の独立を保ちながら軍事権や外交権などを握ることによって、韓国を「保護国」(ほごこく)とする方針を固めました。我が国と韓国は、日露戦争中の明治37(1904)年に日本による韓国防衛の義務などを明記した日韓議定書(にっかんぎていしょ)を結ぶと、同じ年に韓国政府の財政や外交の顧問(こもん)に日本政府の推薦者を任命するとした第一次日韓協約(だいいちじにっかんきょうやく)を結びました。
日露戦争終結後の明治38(1905)年には第二次日韓協約(だいにじにっかんきょうやく、別名を日韓保護条約=にっかんほごじょうやく)を結び、韓国の外交権を我が国が持つことで、韓国が事実上我が国の保護国となりました。また、条約に基(もと)づいて首都漢城(現在のソウル)に統監府(とうかんふ)を置き、伊藤博文が初代統監となりました。




いつも有難うございます。
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風早 りら 私は今まで 何故 日露戦争を
日本がする必要があったのか
理解出来ませんでした
高校までの 勉強では 理解不能でした
大学では日本史は専攻していません
日本が自国の 領土拡大目的での事と思っていました
先生の講座で 興味がわいて しっかり
勉強させて 頂きたいと 思います
サクラ 保護国になった時点で、もう属国みたいなものですよね。
これまでの朝鮮半島での流れを見てますと、完全に韓国は受身だったとしか思えません。
やはり誰もが能動的に動かなければ、決して良い方向には――少なくとも自分の思う方向には――進まないんですね。
風早りらさんへ
黒田裕樹 > 私は今まで 何故 日露戦争を
> 日本がする必要があったのか
> 理解出来ませんでした
> 高校までの 勉強では 理解不能でした
> 大学では日本史は専攻していません
> 日本が自国の 領土拡大目的での事と思っていました
> 先生の講座で 興味がわいて しっかり
> 勉強させて 頂きたいと 思います
いつも有難うございます。
日露戦争の目的については、仰るとおり「領土拡大」が主な理由としか紹介されていませんが、これは原因と結果が逆になっています。結果として南樺太などの領土を獲得していますが、目的はあくまでのロシアの魔の手から我が国の独立を守るためであり、その延長線上に韓国の帰属に関する問題もありました。
日露戦争については本文にあるように、いずれ機会を改めて紹介します。
サクラさんへ
黒田裕樹 > 保護国になった時点で、もう属国みたいなものですよね。
> これまでの朝鮮半島での流れを見てますと、完全に韓国は受身だったとしか思えません。
> やはり誰もが能動的に動かなければ、決して良い方向には――少なくとも自分の思う方向には――進まないんですね。
確かに保護国は事実上の属国ですが、周囲はまだ独立国として扱ってくれますからね。
仰るとおり、当時の韓国自身がイニシアチブをとって独立を守っていれば、このようなことにはならなかったはずですが…。
ぴーち こんばんは!
日露戦争の一番の勝因は何だったんでしょうか。
日本は物腰が柔らかと言う事で、弱いイメージが
植えつけられていましたが、当時の軍事力はロシアよりも、勝っていたんですね。
応援凸
こんばんは
しきしま 明治維新にしても、その後の近代化にしても、日本にあって朝鮮(中国やインドも含め)に無かったもの、それは「武士」の存在だと思います。
自分で土地を開墾・経営し、家の盛衰は今でいう所の自己責任で、自家に危機が迫った時は武器を持って戦う。
幕末の危機に際しても敏感に反応したのは、幕府であり薩長であり、いずれも武士だったと思います。
その後の近代国家への移行でも、独立の維持でも武士や武士だった人の果たした役割は大きかったと思っています。
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > 日露戦争の一番の勝因は何だったんでしょうか。
> 日本は物腰が柔らかと言う事で、弱いイメージが
> 植えつけられていましたが、当時の軍事力はロシアよりも、勝っていたんですね。
日露戦争の我が国の勝因には色々ありますが、真っ先に考えられるのは軍事と政治の「シビリアンコントロール」が抜群だったことでしょうか。
我が国とロシアとの戦いは、まさに薄氷を踏む思いで辛うじて我が国が勝ってきたなかで、日本海海戦で東郷平八郎がロシア艦隊に完勝した際に、ここが潮時と和平交渉に持ち込めたことで、我が国が優位に立ったまま戦争を終えることができましたから。
もしそのままズルズルと戦いを続けていれば、物量で圧倒的なロシアの前に我が国は敗北を重ねたかもしれません。戦争は始めることよりも、止める際のタイミングが難しいんです。第二次世界大戦がそうであったように―。
しきしまさんへ
黒田裕樹 > 明治維新にしても、その後の近代化にしても、日本にあって朝鮮(中国やインドも含め)に無かったもの、それは「武士」の存在だと思います。
> 自分で土地を開墾・経営し、家の盛衰は今でいう所の自己責任で、自家に危機が迫った時は武器を持って戦う。
> 幕末の危機に際しても敏感に反応したのは、幕府であり薩長であり、いずれも武士だったと思います。
> その後の近代国家への移行でも、独立の維持でも武士や武士だった人の果たした役割は大きかったと思っています。
仰るとおり、我が国の躍進には「武士の精神」が不可欠でしたね。日露戦争の頃、まだ江戸時代に武士だった人々が重鎮として控えていたことが、どれだけ我が国の支えになったことでしょうか。
逆に言えば、残酷な時の流れによって武士の経験者が死に絶えた際に世代交代がうまく進まなかったことが、第二次世界大戦による我が国の悲劇を招いてしまったといえるかもしれません。
智里 いや~、まさか「伊藤博文」が韓国の初代統監だったとは知らなかったッス!!
日本の総理大臣もやって、韓国の総理大臣みたいなのもやるとは強者ですね~(。・ω・)(。-ω-)ウンウン
だけどこの時の韓国の「保護国」=「侵略された国」ってイメージあるから、いまの日本に対してこんな感じなのかな?
智里さんへ
黒田裕樹 > いや~、まさか「伊藤博文」が韓国の初代統監だったとは知らなかったッス!!
> 日本の総理大臣もやって、韓国の総理大臣みたいなのもやるとは強者ですね~(。・ω・)(。-ω-)ウンウン
伊藤博文の政治家としての実力は傑出していますね。明治維新を経験した武士出身だけのことはあると思います。
> だけどこの時の韓国の「保護国」=「侵略された国」ってイメージあるから、いまの日本に対してこんな感じなのかな?
そうですね…。保護国というのも屈辱的だとは思いますが、やはり併合されたという事実の方が「侵略」のイメージが強いかもしれません。
その併合の真の原因は…もうすぐ明らかにします(^^ゞ
しかし、会議に出席していた列強諸国(れっきょうしょこく)が条約の違法性を認めずに密使の会議への参加を拒絶(きょぜつ)したことで、韓国は目標を達成できませんでした。高宗や密使らの当初の思惑(おもわく)とは裏腹(うらはら)に、国際社会が第二次日韓協約の正当性を認めたことにもつながったのです。
韓国の面従腹背(めんじゅうふくはい、表面では服従するように見せかけて、内心では反抗すること)ぶりが明らかになったことで、韓国は当時の国際社会の信頼を損(そこ)なうと同時に我が国の激怒を招(まね)き、高宗は退位に追い込まれました。
そして同年に第三次日韓協約(だいさんじにっかんきょうやく)が結ばれ、韓国の内政権は完全に日本の管轄下に入り、我が国による統治(とうち)が強化されることになりました。




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サクラ 今まで受身でいながら、しかしちゃっかり密使を送ってたんですね。
事大国が日本でいけなかった理由は、やはり強い上下関係意識からでしょうか。
それにしても「違法性」が認められると思ったあたり、国際意識の薄さが感じられます。
最新の人権感覚と民族意識で当時を見る愚かさ。
晴雨堂ミカエル この時代の空気を冷静に評価できるのは黒田氏のような方で、護憲派日本人や現代の韓国人には無理でしょう。
韓国人も本音の部分では判っているとは思うのです。韓流時代劇などを観れば、当時の朝鮮は国民国家ではなく中国から冊封というコンセンサスを得て中国皇帝の臣下としての「王国」の名義を維持してきた長い歴史に培われた国家権力の「性格」「体質」があります。中国からの承認が無ければ、国王の資格すら危うくなる。
日本派・中国派・露西亜派に分かれての宮廷内権力闘争が展開されていたことでしょう。自主独立する概念がイマイチ乏しかった。
ですから、日本の幕末明治維新に羨望する韓国の民族主義的保守政治家はけっこう多いのです。
また、古参の民主化運動家の多くは朝日新聞を読んで育っています。たとえば「ハンギョレ新聞」の創業者たちなど。
サクラさんへ
黒田裕樹 > 今まで受身でいながら、しかしちゃっかり密使を送ってたんですね。
> 事大国が日本でいけなかった理由は、やはり強い上下関係意識からでしょうか。
> それにしても「違法性」が認められると思ったあたり、国際意識の薄さが感じられます。
密使を送った主な理由は、仰るとおり中華思想に由来する上下関係があったからでしょう。
それにしても、19世紀以降の国際的な法律関係に無知であるということは、やはり国家としては問題があるといわざるを得ないような気がします。
晴雨堂ミカエルさんへ
黒田裕樹 お言葉有難うございます。
仰るとおり、当時の国家関係は当時の国家間や歴史観、あるいは倫理観で判断すべきであり、そのためにも正確な歴史的知識が不可欠です。
建前ではなく、本音の部分で史実に沿った歴史観のもとに当時を振り返ってほしいものです。
黒田裕樹
風早 りら 第二次日韓協約から第三次日韓協約
に至るまでの 経過が よく 説明されていて
分かりやすかったです
こんな 克明に 日韓のことを
知っている 人がどれだけいる事でしょう
黒田裕樹さんに テレビで講演して欲しいです
そうなる事を祈って応援しています
ぴーち こんばんは!
高宗は、自ら「墓穴を掘る」行為となって
しまった様ですね。いつの時代も、悪(心)の栄えた試し無し・・と言った所でしょうか。
(少々、強引かも知れませんが^^;)
今回の民主党の選挙も、O氏の野望は
あえなく葬り去られてしまいました。
自身の驕りと、国民を侮った考えが
招いた結果です。
甘かったですね。
応援凸
風早りらさんへ
黒田裕樹 > 第二次日韓協約から第三次日韓協約
> に至るまでの 経過が よく 説明されていて
> 分かりやすかったです
> こんな 克明に 日韓のことを
> 知っている 人がどれだけいる事でしょう
> 黒田裕樹さんに テレビで講演して欲しいです
> そうなる事を祈って応援しています
有難うございます。
歴史研究には我が国の立場にたったとしても、冷静な評価が求められます。
テレビの講演ですか…。夢のような話ですが、実現するかどうかはともかく、前進して行きたいですね。
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > 高宗は、自ら「墓穴を掘る」行為となって
> しまった様ですね。いつの時代も、悪(心)の栄えた試し無し・・と言った所でしょうか。
> (少々、強引かも知れませんが^^;)
> 今回の民主党の選挙も、O氏の野望は
> あえなく葬り去られてしまいました。
> 自身の驕りと、国民を侮った考えが
> 招いた結果です。
> 甘かったですね。
いくら不満に思っているからといっても、国際的なルールを無視した強引な行為はやはりそう簡単には認められませんよね。
仰るように、強引な手法は、側近ならともかく、多くの人間の共感を呼ぶには至らないようです。
紗那 なるほど……
なかなか抜け目がないですね……
しかし、少し読み誤ってしまったのですね^^;
当時の世界でも、日本は重要な国だったということなんでしょうか。
この流れで、第三次に突入すると。そもそも第三次とかの条約すら知りませんでした。
段階を踏んでたんですね……!
紗那さんへ
黒田裕樹 > なるほど……
> なかなか抜け目がないですね……
> しかし、少し読み誤ってしまったのですね^^;
抜け目はないんですけど、国際社会のルールについては明るくなかったようですね。
会議にすら参加できませんでしたし。
> 当時の世界でも、日本は重要な国だったということなんでしょうか。
日露戦争に勝ったばかりですからね。国際社会の目も俄然(がぜん)変わってきますよ。
> この流れで、第三次に突入すると。そもそも第三次とかの条約すら知りませんでした。
> 段階を踏んでたんですね……!
そのとおりです。いきなり併合したわけではなく、第一次~第三次という流れがちゃんとあったんですよ。
併合についても、この頃にはまだそのつもりはなかったのですが…。
伊藤としては、韓国の独立国としてのプライドを守るために、近代的な政権が誕生するまでは外交権と軍事権のみを預かり、その後に主権を回復させる考えだったのです。
教育者であるとともに植民地政策に明るかった新渡戸稲造(にとべいなぞう)が韓国の植民地化に関する計画を伊藤に持参した際にも、伊藤は「植民地にしない」と一蹴(いっしゅう)したうえで、韓国人による韓国の統治の必要性を、時間をかけて新渡戸に説明したというエピソードが残っています。
「韓国は韓国人によって統治されるべきである」。我が国初の内閣総理大臣であり、維新の元勲(げんくん)でもある伊藤だけにその発言は重く、伊藤が生きている間には韓国が併合されることはないだろうと考えられていました。
しかし、その伊藤が、よりによって韓国人に暗殺されてしまうという悲劇(ひげき)が起こってしまったのです。




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サクラ ああ、新渡戸稲造はこんなところに出てくるんですね。
伊藤博文には、何かしらの意図があったのでしょうか。
それとも、韓国の自治を尊重して、併合しないと発言したのでしょうか?
サクラさんへ
黒田裕樹 > ああ、新渡戸稲造はこんなところに出てくるんですね。
新渡戸稲造は教育者だけではなく、優秀な農学者でもありましたからね。
台湾が日本の領土となった際に、農業の立場から近代化に成功しているんですよ。
> 伊藤博文には、何かしらの意図があったのでしょうか。
> それとも、韓国の自治を尊重して、併合しないと発言したのでしょうか?
おそらくはサクラさんの仰るとおりでしょう。
伊藤博文は朝鮮人を高く評価している面もありましたから。
それなのに…。
よくぞ取り上げてくれました。
晴雨堂ミカエル 韓国朝鮮では伊藤博文は侵略者の頭目で、安重根は救国の英雄です。日韓の認識の違いは永久に埋まらないでしょう。これは仕方のないことです。日韓に限らず、独波でも独仏でも仏英でも同じことで、歴史認識とはそういうものだと割り切る事が大切なのですが、変な幻想を見る人が多いので困ったことです。
伊藤博文は高杉晋作から「植民地」にされるということがどういうことか、そしてどんな禍根を残すことになるのかを聞いて知っている人物です。
また、奇麗事ではなく、朝鮮人の気質や歴史的関わりから併合についてのリスクがどれだけ高いかも知っている人間です。彼なら、併合よりも半独立、さらには完全独立のほうが日本にとっても負担は少ないと計算しているタイプでしょう。
深田祐介氏の「炎熱商人」を思い出します。黒田氏はお読みになったことはありますか?
こんばんわ^^
waravino 伊藤博文って。そういう立場だったんですね。知りませんでした^^;なのに・・・・。悲劇そのものですね。日韓の糸が縺れてしまったのは。こんなところにも原因があるんですね。
晴雨堂ミカエルさんへ
黒田裕樹 仰るとおり、今回の記事のような真実を知らずして(あるいは知らないふりをして)、日韓両国の歩み寄りは有り得ないでしょうね。違う国同士の共通の歴史認識はどう考えても不可能でしょう。
伊藤博文ほど、国益を考えた政治家はいなかったといえるのでしょうか。むやみに併合するのではなく、保護国から完全独立の方が、我が国にとってははるかに良かったはずですから。
良き書籍をご紹介下さって有難うございます。未読ではありますが、機会を見つけて読んでみたいものですね。
waravinoさんへ
黒田裕樹 > 伊藤博文って。そういう立場だったんですね。知りませんでした^^;なのに・・・・。悲劇そのものですね。日韓の糸が縺れてしまったのは。こんなところにも原因があるんですね。
同じ日本人でありながら、私たちは伊藤博文の実像についてあまり知らされていないような気がしますね。
今回の紹介も、ひとつの歴史教育の実践と言えそうです。
仰るとおり、伊藤博文さえ暗殺されなければ、日朝のその後の歴史も大きく変わっていたことでしょう。詳しくは次回(18日)の更新で明らかにします。
紗那 これはこれは……!
盛大に初耳でした。
博文さん、こんな意見を持ってる人だったとは……!
なるほど、このあとの展開が想像できます♪
結構、誤解してることが多いと感じます、まいどまいどのことですけど^^;
紗那さんへ
黒田裕樹 > これはこれは……!
> 盛大に初耳でした。
> 博文さん、こんな意見を持ってる人だったとは……!
> なるほど、このあとの展開が想像できます♪
紗那さんもご存じなかったんですね。
伊藤博文は、実は韓国にとって最大の理解者だったのです。
そんな人物を…おっと、これは次回ですね(^^ゞ
> 結構、誤解してることが多いと感じます、まいどまいどのことですけど^^;
私も最初は誤解していましたよ。
誤解から学ぶのもまた歴史ですね(笑)。
ぴーち こんばんは!
伊藤博文説を今のアメリカにも
見習っていただきたい気持ちになりました!
それでも、暗殺されてしまうというのは、何かしら誤解が生じてしまったのでしょうか・・。
応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > 伊藤博文説を今のアメリカにも
> 見習っていただきたい気持ちになりました!
> それでも、暗殺されてしまうというのは、何かしら誤解が生じてしまったのでしょうか・・。
そのとおりですね。伊藤博文のように、独立国としてのプライドを守るような対外政策を行ってほしいものです。
伊藤博文の暗殺は、仰るように誤解もありそうですが…詳しくは次回(18日)の更新をご覧下さい。
熱心な愛国家であったとされる安重根からしてみれば、初代統監として韓国を保護国化しただけでも伊藤の罪は重く、また伊藤こそが韓国を併合しようとしている首謀者(しゅぼうしゃ)だと考えたのかもしれません。しかし、伊藤が韓国人によって殺されるということは、現実には絶対にあってはならない出来事でした。
安重根による伊藤博文の暗殺による衝撃(しょうげき)は、第二次世界大戦後にGHQ(別名を連合国軍最高司令官総司令部=れんごうこくぐんさいこうしれいかんそうしれいぶ)のマッカーサー元帥(げんすい)を「我が国の皇室を守る」という理由で日本人が暗殺する行為に等しいといえます。
マッカーサー元帥は昭和天皇(しょうわてんのう)を戦争犯罪人として東京裁判(とうきょうさいばん)にかけようとしていたアメリカ政府の方針に断固として反対し、結果として天皇が裁(さば)かれることはありませんでした。そんなマッカーサー元帥を、もし日本人のテロリストが暗殺していればどうなっていたでしょうか?
天皇をかばった唯一無二(ゆいいつむに)の実力者を失ったことで、昭和天皇は恐(おそ)らく東京裁判にかけられていたことでしょう。それだけでなく、元帥を暗殺されたことでアメリカの世論が一気に硬化して、我が国はアメリカによって完全に統治され、日本としての歴史に終止符(しゅうしふ)が打たれてしまっていたかもしれません。
安重根によるテロ行為は、それほどまでに重大な事件であったとともに、我が国と韓国の歴史をそれぞれ大きく変えてしまう出来事だったのです。




いつも有難うございます。
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佐佐木あつし 安重根。
来ましたねー。
この人物ほどその評が数多にわたる人もいないですね。
ブルジョワジー的立ち位置や民族意識から
果てはキリスト教的な見解など重複した見方が
後世に問題を投げかけてますね。
あの、薬指の一件にしても
まさしく「恨(ハン)」を体現した
モノなのでしょうね。
サクラ 安重根の知識不足がいけなかったのか、あるいは伊藤の意見は一部の人しか知らなかったのか――そこが気になるところですね。
何れにしろ、戦後の日本人がマッカーサーを暗殺しようとしたかと思えば――それはあまり考えられない事ですが。
今や安重根といえば、韓国国民の英雄ですよね。
ミンビ暗殺に激怒して関係の無い日本人を殺した金九(キム・グ)だとか、昭和天皇に爆弾を投げつけた李奉昌(イー・ボンチャン)だとか――韓国は「日本に刃向かった」というだけでテロリストが英雄扱いされてると思います。
ただ、レジスタンスなどにとって、テロリストが英雄になること自体はおかしくないとは思いますが(卑怯な手を使わざるを得なかったりしますからね)。
しかし安重根や上記の二人は、それでも正当な評価を受けていないと思いますね。
ぴーち こんばんは!
昭和天皇は、ご自分の命を掛けて、戦争責任を
負われるご覚悟はお有りの様でしたね。
その意思の固さに、マッカーサー元帥が心を打たれたという話を聞いた事があります。
応援凸
風早 りら 伊藤博文の 死は とても残念な事でしたね
彼が 生存していてくれたら
この世界は また 全く
違った ものと なっていた事でしょう
様々な事 考える機会を 与えて
下さり ありがとう
佐佐木あつしさんへ
黒田裕樹 安重根の場合、薬指を切断して同志との結束を固めたというエピソードが決意の固さを表していますが、歴史の結果は時として容赦がないですね。
いずれにせよ、彼に関しては仰るとおり様々な見解があるようです。
サクラさんへ
黒田裕樹 人物の評価というのは、国によって正反対になることがよくありますね。
以前に紹介した豊臣秀吉も、我が国と韓国では別人のような扱いを受けていますし。
安重根のようないわゆるテロリストについては、反日というフィルターを通せば英雄という見方ができるのも理解できないことはありませんが、その結果がどうなってしまったのかも考えるべきではないでしょうか。
正当な評価の基準は難しいものがあるようです。
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > 昭和天皇は、ご自分の命を掛けて、戦争責任を
> 負われるご覚悟はお有りの様でしたね。
> その意思の固さに、マッカーサー元帥が心を打たれたという話を聞いた事があります。
有名なエピソードですね。
昭和天皇のご存在が、未曽有の危機に瀕していた我が国を救ったという見方もあります。
いずれはこの講座で紹介できればいいですね。
風早りらさんへ
黒田裕樹 > 伊藤博文の 死は とても残念な事でしたね
> 彼が 生存していてくれたら
> この世界は また 全く
> 違った ものと なっていた事でしょう
> 様々な事 考える機会を 与えて
> 下さり ありがとう
仰るとおり、伊藤博文の暗殺は痛恨の悲劇でした。
彼がもし存在していれば、歴史の歯車はどう回転していたか分かりませんからね。
少なくとも現状よりは良い方角に向かっていたような思いがします。
テロにたいする日本の対応
- 黒田先生
こんばんは
青田です。
この当時、日本の民間人が殺されたり、伊藤博文の暗殺で、日本国内の世論は、大変なニュースだったと思います。
その後、日本は国として、堂々とした態度をとりました。
それで、不思議でしかたないのは、
現代の日本です。
拉致問題は、この伊藤博文の暗殺に匹敵するほどの
国家によるテロだと思うのですが、
日本国内での、世論がごく一部の国士の方、以外は
あまりにも、小さい気がします。
マスコミでも、普通のごく一般的な事件として
報道されていて、詳細なことがほとんど報道されていません。(あの報道を観ても、ほとんど、わからないと思います。)
根本原因は、日本人自身の愛国心の欠如なのでしょうね。
(ごく、一部の国士を除いて)
青田さんへ
黒田裕樹 愛国心の欠如もちろんあると思いますが、マスゴミの心が我が国ではなく拉致した側に傾いていれば、南北関係なく「なかったことにする」のが当然だとも言えるでしょうね(事の善悪は別として)。
しかし、我が国は併合に対してあくまで慎重でした。日韓併合が国際関係にどのような影響をもたらすのかを見極める必要があったからです。そこで、我が国が関係国に併合の件を打診(だしん)すると「我々が韓国と不平等条約を結んでいた条件を変更さえしなければ問題ない」という虫が良い話があっただけで、表立って反対する国は存在しませんでした。
また、イギリスやアメリカの新聞も東アジアの安定のために日韓併合を支持するという姿勢を示したことで、我が国は初めて日韓併合条約を結んだのです。時に明治43(1910)年8月22日のことでした。なお、日韓併合後には朝鮮総督府(ちょうせんそうとくふ)がおかれ、後に総理大臣を務めた寺内正毅(てらうちまさたけ)が初代総督を務めています。
日韓併合は、このような慎重な手続を踏まえたのみならず、国際的な世論の同意も得て初めて実現したのでした。なお、平成13(2001)年に日韓併合条約の有効性が日本と韓国(=大韓民国)との間で議論された際に、韓国側が「強制的に併合されたから無効である」として国際会議に訴えましたが認められず、21世紀においても国際社会が日韓併合における我が国による朝鮮半島支配の正当性を認めていることが確認されています。




いつも有難うございます。
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サクラ 併合条約は合法だった――これはもう変えざる事実ですね。
それを今さら不法と主張する韓国は、今も昔も国際的ではないのでしょうか。
しかし李完用が併合に賛成していたあたり、上層部はそれなりに慎重だった気がします。
併合に反感をもつ民衆と、反日的なテロリストと、事大主義に固着した王室と、改革を目指した人々――。
あのころの朝鮮半島は、まさにカオスでした。
その混沌に終止符を打つのは、やはり併合しかなかったのでしょうか。
サクラさんへ
黒田裕樹 記事にもあるように、日韓併合は周囲にも気を遣ったうえで慎重に結んでいますからね。
少なくとも「武力で強引に結んだ」という印象はありません。
加えて、仰るように韓国側の政府も慎重だったからこそ実現したといえるかもしれません。
当時の韓国は確かに混沌とした情勢でしたから、いわゆる「自国のみでの収拾」ができたかどうかには疑問符が付くところですね。時間をかければ解決できたのかもしれませんが…。
紗那 併合が合法……!
しかも、現代社会において国際的に認められている!
これは驚きでした。
中学校の先生は、こういうことを知っていて授業をしていたんでしょうか。だとしたら、ちょっと悲しいです。
なんか凄まじく認識が変わっていきます……!
紗那さんへ
黒田裕樹 > 併合が合法……!
> しかも、現代社会において国際的に認められている!
> これは驚きでした。
そのとおりです。今から100年前の国際社会で韓国を併合することに表立って反対した国家は存在せず、また日韓両国が合意のうえで正式な条約で結ばれた、まごうことなき合法的な手続きで行われています。
さらに、その正当性は100年近く経った21世紀においても認められています。これ以上の正当性が他にあるでしょうか。
> 中学校の先生は、こういうことを知っていて授業をしていたんでしょうか。だとしたら、ちょっと悲しいです。
> なんか凄まじく認識が変わっていきます……!
教え方は人それぞれですから私ごときが口をはさむ問題ではありませんが、歴史教育は公的な事実に基づいて行われるべきであると個人的には思っております。紗那さんの認識が変わることに関しては、私自身非常に重い責任を負っていますが、それにこたえられるだけの自信を持ってブログを続けていますよ。
ぴーち こんにちは!韓国は何を根拠に「強制的に」と主張しているのでしょうか。
その主張が間違いだと自覚しているからこそ、
反対意見を述べているのでしょうけれど、随分と往生際が悪い国ですねぇ。
儒教の影響と何か関係するのでしょうか。。
応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > こんにちは!韓国は何を根拠に「強制的に」と主張しているのでしょうか。
> その主張が間違いだと自覚しているからこそ、
> 反対意見を述べているのでしょうけれど、随分と往生際が悪い国ですねぇ。
> 儒教の影響と何か関係するのでしょうか。。
形はどうあれ我が国に併合されたことに変わりはないですから、そのことに関するやるせなさが「強制的に」という「神話」を生んでいるのかもしれませんね。
仰るとおり儒教の精神から一段低く見ている我が国からだけに、その思いが一層強くなっているのかもしれません。
オバrev 日韓併合は、様々な歴史的事実の積み重ねがあってのことなんですね。
韓国の国民的感情も分からないではないですが、当時の国際情勢やら縦横に関連しあった状況を冷静に判断して、どこかで終止符をうたないと、不毛の議論が無駄に繰り返されるだけでお互いにメリットは何もないと思います。
というか日韓基本条約で既に終止符がうたれているはずだと思うのですが、政府の恣意的なプロパガンダや菅談話やら仙石左翼官房長官の意味不明な発言が、さらに火を大きくしてしまったように思います。
政治家には特にこういう歴史的事実をきちんと勉強して欲しいものです。
オバrevさんへ
黒田裕樹 > 日韓併合は、様々な歴史的事実の積み重ねがあってのことなんですね。
> 韓国の国民的感情も分からないではないですが、当時の国際情勢やら縦横に関連しあった状況を冷静に判断して、どこかで終止符をうたないと、不毛の議論が無駄に繰り返されるだけでお互いにメリットは何もないと思います。
私も同意見です。
歴史的事実に関する建設的な議論は歓迎すべきことですが、現在のような議論を続けることに関する益はなく、お互いの国家に対する感情を害するばかりだと思いますね。
> というか日韓基本条約で既に終止符がうたれているはずだと思うのですが、政府の恣意的なプロパガンダや菅談話やら仙石左翼官房長官の意味不明な発言が、さらに火を大きくしてしまったように思います。
> 政治家には特にこういう歴史的事実をきちんと勉強して欲しいものです。
歴史に無知な政治家の存在が我が国に何をもたらしているのか、私たちは今ほどそれを痛切に感じる機会はないのかもしれませんね。
黒田裕樹さん
風早 りら 「イギリスやアメリカの新聞も東アジアの安定のために日韓併合を支持するという姿勢を示した」
そんな事 初めて知りました
私達が知る権利を 奪われている感じすらします
最近 憤り 感じます
先生 頑張って これからもお願いします
風早りらさんへ
黒田裕樹 > 「イギリスやアメリカの新聞も東アジアの安定のために日韓併合を支持するという姿勢を示した」
> そんな事 初めて知りました
> 私達が知る権利を 奪われている感じすらします
> 最近 憤り 感じます
> 先生 頑張って これからもお願いします
有難うございます。
確かに伝えなければならないことを伝えきれていない節がありますね。
バランスを欠いているとでもいうべきでしょうか…。
この講座ではこれからも様々な歴史的事実にスポットを当てていきたいと思います。