しかし、この良好な関係は長続きしませんでした。開化政策に反対する勢力が国王の父であった大院君(だいいんくん、または「テウォングン」)のもとに結集して、明治15(1882)年に大院君がクーデターを起こし、同時に朝鮮の日本公使館が朝鮮人の兵士に襲(おそ)われ、館員らが殺害されました。これを壬午事変(じんごじへん)といいます。
この事件をきっかけに我が国が朝鮮へ出兵すると、清国も同時に派兵しましたが、我が国が朝鮮側と賠償(ばいしょう)条約(済物浦条約=さいもっぽじょうやく)を結んだことで武力衝突は回避(かいひ)されました。我が国は武力に頼らずに話し合いで解決しようとしたのですが、この姿勢が「日本は清国に比べて弱腰(よわごし)だ」とみなされたこともあり、この後の朝鮮国内では我が国よりも清国に頼ろうとする事大派(じだいは)の勢力が強くなりました。
ちなみに、事変の際に清国が派遣(はけん)した軍の代表者は後に中華民国大総統(ちゅうかみんこくだいそうとう)となった袁世凱(えんせいがい)です。なお、開国派を打倒して清国寄りの政策に戻(もど)そうという、いわば清国のためにクーデターを起こした大院君は、事変の後に逮捕(たいほ)され、清国へ連行されてしまいます。大院君に対する清国の仕打ちを見れば、当時の清国の朝鮮に対する冷徹(れいてつ)な態度がよく分かりますね。




いつも有難うございます。
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アースガイド 不思議と明治以降は頭に入って行きません、笑。
勉強させて頂きます!
そうめん なるほど・・
ここは凄い難しそうですね。
まだ明治時代は勉強してないので・・
勉強させて頂きますね。
関係ないコメントで、すいません。
アースガイドさんへ
黒田裕樹 > 不思議と明治以降は頭に入って行きません、笑。
> 勉強させて頂きます!
近代史は世界情勢を踏まえながらになりますからね。なるべく分かりやすく紹介できればと思いますので、よろしくお願いします。
そうめんさんへ
黒田裕樹 > なるほど・・
> ここは凄い難しそうですね。
> まだ明治時代は勉強してないので・・
> 勉強させて頂きますね。
> 関係ないコメントで、すいません。
いえいえ、大丈夫ですよ(^^♪
勉強してない分野だからこそ、先に理解ができればこんなに心強いことはありません。
そうめんさんのお役に立てるよう、私も頑張りますよ(^_^)v
黒田先生
風早 りら 凄く 難しい テーマになってきました
やはり 毎回 同じ事を言うようですが
この問題はとても デリケートです
でも 日本の政府自体が この事実を
どう考えているのでしょう
それが 不可解です
一方的に謝罪ばかりしています
サクラ な――袁世凱がこんなところで登場していたとは!
しかも大院君が清国へ連行されていたとは。
教科書では教えない――教科書以外をめくっても見落としがちな、重要な歴史をこのブログは教えてくれます。
風早りらさんへ
黒田裕樹 > 凄く 難しい テーマになってきました
> やはり 毎回 同じ事を言うようですが
> この問題はとても デリケートです
> でも 日本の政府自体が この事実を
> どう考えているのでしょう
> それが 不可解です
> 一方的に謝罪ばかりしています
りらさんの仰るとおり今の政府が謝罪ばかりしているということは、おそらくは歴史を知らないか、あるいは知らないふりをしているということでしょう。
朝鮮との関わりはこの後ますますややこしくなっていきますが、共通する一つの大きな流れに沿って、できる限り分かりやすく紹介していきたいと思います。
サクラさんへ
黒田裕樹 > な――袁世凱がこんなところで登場していたとは!
そうなんです。袁世凱、まだ20代の若かりし頃の活躍(?)です。このような地道な功績を重ねて大総統までのし上がったんですよね。
> しかも大院君が清国へ連行されていたとは。
> 教科書では教えない――教科書以外をめくっても見落としがちな、重要な歴史をこのブログは教えてくれます。
せっかく清国のためにクーデターを起こしたのに、用済みとばかりに連行される…。属国の運命なんてこんなものなのかもしれませんね。独立国と認めている我が国と連携していればこんなことには…。
こういった細かい歴史の流れが、近代史の理解には不可欠なはずです。当ブログでは今後も同じような側面から紹介していきますよ(^^♪
ぴーち こんばんは!
日本特有の「和」を持ってしての心を、一歩外へ持ち出そうとすると、
その気持ちが全く通用しないのが、悲しい所ですね。。
大陸に住む人たちは、海に囲まれている日本とは違い、いつ攻め込まれるとも判らない環境下で、常に強さを誇示していかなければならないという境遇下で過ごしているので考え方の違いもあるのでしょうが、強い国であると言う事は同時に、考え方もシビアで冷徹でもあるという面も、合わせ持っているという事なんでしょうね。
本来は、話せば判る友好関係が結べる関係が出来れば良いですけれどね^^
それには、やはり短いスパンではなく、これからも長い時間を要していく必要がありますね。
応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 仰るとおりで、日本人の「話せば分かる」「和の精神」が世界で通用するとは限らないのが残念なところだと思います。
分かり合える日が来ればいいのですが…。
「朝鮮も早く近代化しなければならない」。そう強く感じた金玉均らは、福沢諭吉(ふくざわゆきち)から資金援助を受けた後、明治17(1884)年に独立党(どくりつとう)として朝鮮国内でクーデターを起こしましたが、清国が事大党(じだいとう)の支援(しえん)として出兵したために失敗に終わりました。これを甲申事変(こうしんじへん)といいます。
壬午事変と同様に、清国はまたしても朝鮮国内でのクーデターに軍事介入(ぐんじかいにゅう)したことになります。また、クーデターに失敗した金玉均が我が国の公使館に逃げ込むと、清国の兵士は公使館を襲って焼き討ちし、女性を含む多数の我が国の民間人が殺害されました。
このような酷(むご)い仕打ちを受けた我が国でしたが、国力の充実を優先して清国との武力衝突を避ける意味も込めて、翌明治18(1885)年に伊藤博文(いとうひろぶみ)が、清国の李鴻章(りこうしょう)との間で天津条約(てんしんじょうやく)を結びました。この条約によって日清両国は朝鮮から撤兵(てっぺい)するとともに、将来もし出兵する際にはお互いに通知しあうことを義務としました。
二つの事変を通じて、我が国は朝鮮を独立させようとしても、清国が宗主国の立場を利用して何度でも干渉(かんしょう)してくるということをつくづく思い知らされました。なお、金玉均は事変後に我が国に亡命(ぼうめい)しましたが、明治27(1894)年に上海(しゃんはい)で暗殺されています。




いつも有難うございます。
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サクラ ある意味これは金玉均のミスですよね。
日本のように政権交代が上手くいってればと考えると、非情に惜しいです。
まあ、独立後にどんな国家が出来ていたかは多少不安ですが。
サクラさんへ
黒田裕樹 > ある意味これは金玉均のミスですよね。
> 日本のように政権交代が上手くいってればと考えると、非情に惜しいです。
> まあ、独立後にどんな国家が出来ていたかは多少不安ですが。
クーデターが失敗に終わったことは金玉均にとっては痛恨の失敗でした。
もし一時的であったも成功していれば、その後の朝鮮半島の歴史も大きく変わっていたことでしょう。
まさに「歴史は紙一重」だと思います。
黒田先生
風早 りら 中国は今だに 北朝鮮に
大きな 影響力を持っています
中国が援助しなければ 北朝鮮は滅びます
いい加減 手を引いてもらいたいと
今回のこの記事で 思いました
あの 我儘な 独裁国家を
甘やかしているのも 共産圏の国が
隣にあって欲しいという事でしょう
それでいて いつも 日本が悪者扱い
何故? いつも思っています
風早りらさんへ
黒田裕樹 > 中国は今だに 北朝鮮に
> 大きな 影響力を持っています
> 中国が援助しなければ 北朝鮮は滅びます
> いい加減 手を引いてもらいたいと
> 今回のこの記事で 思いました
> あの 我儘な 独裁国家を
> 甘やかしているのも 共産圏の国が
> 隣にあって欲しいという事でしょう
> それでいて いつも 日本が悪者扱い
> 何故? いつも思っています
仰るとおり中国と北朝鮮にとっては、現状の方が何かと都合が良いのでしょう。
両国とも、我が国を悪役にすることによって国民の結束を固めようとしているともいえますし。
隣国であることが、決して良いことばかりとは限らないのかもしれません。
ぴーち こんばんは!
日清戦争へのプロローグですね。。
こうして内容を拝見してますと
日本よりも清(中国)側のほうが、かなり
優勢に仕掛けていたのですね。
「仏の顔も三度・・」
太平洋戦争もそうらしいですが、日本は
どうしても戦わなければならない状態に
追い込まれてという図式が多いのでしょうか。。
応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > 日清戦争へのプロローグですね。。
> こうして内容を拝見してますと
> 日本よりも清(中国)側のほうが、かなり
> 優勢に仕掛けていたのですね。
> 「仏の顔も三度・・」
> 太平洋戦争もそうらしいですが、日本は
> どうしても戦わなければならない状態に
> 追い込まれてという図式が多いのでしょうか。。
確かにその傾向がありますね。日清戦争では清国に、日露戦争ではロシアに、第二次大戦ではアメリカに…。
現在も外交や内政で様々な干渉を受けていますが、大丈夫でしょうか?
紗那 むー、教科書にはない、日本と清と朝鮮の姿が浮かび上がってきますね……!
こうやってみると、日本が一方的に悪いように見られているのはおかしいとも感じます。。。
紗那さんへ
黒田裕樹 > むー、教科書にはない、日本と清と朝鮮の姿が浮かび上がってきますね……!
> こうやってみると、日本が一方的に悪いように見られているのはおかしいとも感じます。。。
そのとおりです。日韓併合への大きな流れは決して単純なものではないのです。
それぞれの国のそれぞれの事情を理解していくことが一番の近道ですね。
序盤戦?
オバrev ふーむ、この課題はやはり理解するのが結構難しい難しいですね。日本・中国・朝鮮という隣国同士が、古い歴史的繋がりを持ちながら、どこかで歯車が狂っていくんですかね。
しかし、この辺りの3国の関係が、後の日韓併合へと繋がっていくんでしょうね。
まだまだ序盤戦ですか?
オバrevさんへ
黒田裕樹 > ふーむ、この課題はやはり理解するのが結構難しいですね。日本・中国・朝鮮という隣国同士が、古い歴史的繋がりを持ちながら、どこかで歯車が狂っていくんですかね。
> しかし、この辺りの3国の関係が、後の日韓併合へと繋がっていくんでしょうね。
> まだまだ序盤戦ですか?
「序盤戦」はこの3国が中心となりましたが、もう1国が牙を磨いて待っているんですよね…。
次回(10日)の更新で登場しますよ。いずれにせよ、もうすぐ「中盤戦」ですね。