答えは大日本帝国憲法(だいにっぽんていこくけんぽう)です。この憲法は明治時代に定められたことから、別名を明治憲法(めいじけんぽう)といいます(今回の講座では、明治憲法という名称で統一します)。
さて、この明治憲法ですが、皆さんがこれまでに学習した過程においては、どのような評価がなされているのでしょうか。また、その評価は本当に正しいのでしょうか?
憲法のような重要な法律を評価する場合には、その条文(じょうぶん)の意味を詳細(しょうさい)に解釈(かいしゃく)して、立法趣旨(りっぽうしゅし、その法律がつくられた目的やねらい)を明らかにするという公民的な考察(こうさつ)のほかに、憲法が国内、あるいは国外のどのような情勢においてつくられたのかという歴史的な経緯(けいい)も重要となります。
公民的な考察に歴史的な経緯という二つの作業を必要とする今回の講座ですが、公民と歴史の二つの教員免許を有する私こと黒田裕樹が、明治憲法に秘められた真実を探ってみたいと思います。




いつも有難うございます。
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うにた いいテーマですね。
今こそ国民が知らなければならないテーマです。
とても興味深い。
楽しみにしています。
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智里 公民的な考察と歴史的な経緯・・・
公民と歴史の2つの免許を持つ黒田さん的講座。
これからが楽しみですね♪
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ぴーち こんばんは!
大日本帝国憲法は、確か
ドイツのワイマール憲法を参考に
制定されたという事だけは、覚えているのですが、やはり外国の憲法を日本に当てはめた事自体に最初から、無理があったのでしょうかね・・?
黒田さんの詳しいご高察に期待します!
応援凸
うにたさんへ
黒田裕樹 お言葉有難うございます。
憲法に関する論議が高まる昨今ですから、明治憲法の意義や真実を、一人でも多くの皆様にご理解いただきたいと考えまして、今回の講座を決意しました。
これから約二週間続きますので、今後ともよろしくお願いします。
智里さんへ
黒田裕樹 有難うございます(^o^)丿
歴史の講座が続きましたが、今回の講座で「公民の先生」らしさもお見せすることができればと思います。
よろしくお願いしますm(_ _)m
ぴーちさんへ
黒田裕樹 いつもご訪問ならびにコメント有難うございますm(_ _)m
ワイマール憲法は第一次世界大戦後のドイツで1919年に公布された憲法で、国民主権や生存権(=社会権)などが規定されており、日本国憲法などの20世紀の民主主義憲法の先がけになった憲法です。
明治憲法は、仰るとおり外国の憲法を参考にしております。そのあたりの経緯についても、講座の中で紹介していきますので、よろしくお願いしますね(^_^)v
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HANA子 宗教的に、文化的に、思想的に、民族的に西欧文明と異質の社会に生きてきた日本人
近代国家として国民の統合を行うための根幹となる概念さえ持っていなかった日本が近代化を成し遂げていく試行錯誤の中で、
その成功の為の試金石になったのが明治憲法成立の過程ではなかったかというのがわたしの考えなのですが、さてさて
黒田センセの講義、楽しみにしてます!
HANA子さんへ
黒田裕樹 さすがはHANA子さんですね(^^♪
仰るとおり、明治憲法の制定が我が国の近代化への大きな一歩になったのは間違いないと思います。
明日(5日)からは、憲法制定までの歴史的経緯について紹介していくことになりますので、よろしくお願いしますm(_ _)m
明治憲法では天皇が最高の権力者であり、帝国議会(ていこくぎかい、現在の国会のこと)や内閣・裁判所も天皇を助ける機関に過ぎませんでした。また、天皇は軍隊を統率(とうそつ)・指揮し、条約の締結権を持つなど、天皇大権(てんのうたいけん)と呼ばれる大きな権限を有していました。国の主権者は天皇であり、臣民たる国民の自由や権利は制限付きでしか認められませんでした」。
多少の差異はあったとしても、上記の内容がこれまでの歴史教育における明治憲法の姿といって差し支(つか)えないでしょう。憲法の条文の内容についても、大筋で同じような見方であるといえます。
この内容における明治憲法のポイントは、第一に、天皇は「最高の権力者」であるとされていること、第二に、議会・内閣・裁判所のいわゆる三権(さんけん)は存在こそするものの、国家的な位置づけとしては天皇による政治を「助ける」機関でしかないこと、第三に、国民のあらゆる権利が「制限付き」であり、不十分なものであったこと、といえるでしょう。
しかし、これらは事実に照らして本当に正しいことなのでしょうか。明治憲法は国民にとって本当に満足のいく内容ではなかったのでしょうか?
この謎を解き明かすためにも、まずは明治憲法が定められた歴史的経緯について考察してみます。




いつも有難うございます。
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オバrev ふむふむ、ここは法学部出身で司法書士事務所勤務経験を持ちながら、社会科の教員資格も持っているという黒田先生ならではの講義ですね。
楽しみにしています♪
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ぴーち こんばんは!
天皇が最高の権力者、国民のあらゆる権利が「制限付き」というのが、やはりその時代にそぐわないものだったんでしょうか。。
その後の展開に期待します。
応援凸
オバrevさんへ
黒田裕樹 お言葉有難うございます。
現場を離れて数年になりますが、法律の解釈にはまだまだ自信を持っておりますので(笑)、今後の展開にご期待ください!(^_^)v
なお、公民的解釈は講座の後半になります。
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > 天皇が最高の権力者、国民のあらゆる権利が「制限付き」というのが、やはりその時代にそぐわないものだったんでしょうか。。
今回紹介した解釈が「事実」であれば、仰るとおりに時代にそぐわなかったかもしれません。
しかし、もし事実でないとすれば…。
> その後の展開に期待します。
有難うございます。まずは明日以降の歴史的経緯から紹介させていただきますね。
.記憶があいまいですが・・
伝次郎 ドイツの人が明治時代憲法発布に喜ぶ民衆、ただ滑稽なのは中身を知らない。といった風刺していたと思います。
「憲法発布に喜ぶ民衆」これは絵があったと思います。
ヘンなコメントですいません。
伝次郎さんへ
黒田裕樹 > ドイツの人が明治時代憲法発布に喜ぶ民衆、ただ滑稽なのは中身を知らない。といった風刺していたと思います。
欧米からすれば、我が国が憲法をつくったことが信じられず、いわんや国民がその中身を知るはずがないという思い込みがあったと思われます。今では別な意味に解釈されているようですが。
> 「憲法発布に喜ぶ民衆」これは絵があったと思います。
確かにありますね。国民にとってはやはり喜びだったのでしょう。
> ヘンなコメントですいません。
いえいえ、色んな意見が聞けて有難く思います。
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shana 僕は、とりあえず憲法が制定されたと言うだけでも一歩前進なんだ、っていう風に歴史の授業中に捉えていたのを覚えています。
まぁ、ただこくみんはとりあえずお祭り騒ぎしてただけだった。なんて話もありましたが。 まぁ、でも世界の列強と同じ立場に立てたわけですから、国民もそういう点ではすごく喜んだんだろうなと思います。
むしろ僕としては、憲法9条みたいに現実にそぐってない憲法の方が残念な気がします
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ラズベリー 初めて動いてる黒田裕樹さん見ました!!w
なんかすごいですー^∀^
強弱(?)をつけて話してらっしゃるのでとても分かりやすいです★
ラズベリーのがっこーの社会の先生になってもらいたいです...!!笑
shanaさんへ
黒田裕樹 > 僕は、とりあえず憲法が制定されたと言うだけでも一歩前進なんだ、っていう風に歴史の授業中に捉えていたのを覚えています。
そのとおりです。いずれ講座の中で明らかにしますが、維新以来たったの20年強で憲法制定までこぎつけるところが凄いと思いますね。
> まぁ、ただこくみんはとりあえずお祭り騒ぎしてただけだった。なんて話もありましたが。 まぁ、でも世界の列強と同じ立場に立てたわけですから、国民もそういう点ではすごく喜んだんだろうなと思います。
これも仰るとおりで、当時の国民は、たとえ憲法の中身は知らなくても「憲法制定によって世界の列強と肩を並べられる」ことを肌で知っていたんだと思います。
> むしろ僕としては、憲法9条みたいに現実にそぐってない憲法の方が残念な気がします
日本国憲法第9条については、変えるにしても残すにしても、まずは国民が納得できるまで、改正の是非について様々な議論があってもよいと思います。